農地の取得について

投稿者: | 2015年7月13日

「農業」というか、「自分の食べるものを自分で作る」ということは、
人が自立して生きていくうえで、本来生活の一部だろうと思うのです。
「稼いでは使う」という都市での飽くなき消費生活を離脱しようと思うなら、
その全てはまかなえないにせよ、食料については可能な限り自給生活が基本です。

そうなると、ある程度の農地が必要となってきます。
一人二人が食べていくには、最低1反程の田圃と、同程度の畑がほしいものです。
でも、もう少し広ければ輪作もできるし、果樹を植えたり、ヤギやニワトリも飼える。

確かに、最近はちょっと田舎に行けば、耕作放棄地だらけです。
それでも、借りるとなると賃料が必要だったり、まわり近所との関係が難しかったり、
慣行農法が主流な地域では、自分の思うような農業ができなかったり。
せっかく土が良くなってきた頃に、「息子が帰ってきたので返してくれ」と言われたり。

だから、できれば自分で思うように使える農地があればいいと思います。
それも、家のすぐ側に広い農地があれば、いつでも様子を見て手がかけられます。
そう思ってずっと適地を探していました。

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今度の場所は、家の敷地内に約4,000平米の耕作放棄の畑があります。
そして歩いて行けるところに、圃場整備されている田が約4反。
これだけあれば、自給農はもちろん、いろいろと自由にやれます。

これらの地目が田や畑なので、
これを取得するためには農地法第3条の許可が必要でした。

しかし、田舎で新規就農、というか、ちょっと農業がやってみたいだけ、
という人も多いと思うのです。
これだけ全国で耕作放棄地が増え、政府も減反政策をやめないうえに、
農業者の高齢化で、日本の農業の先行きが暗澹としている状況で、
何でもっと敷居を低くして、誰もが気軽に農業を始められるような仕組みを作らないのか、
と不思議でなりません。

農地法第3条の許可を得るためには、
まず地元の農業委委員会に申請する必要があります。
これには耕作下限面積というのがあって、地域によって10a~50aで決められています。

50aというのは5反で、つまり5反以上の農地でないと売買できない、ということです。
5反って、ちょっと農業でもやってみようかという人には負担が大きすぎる広さです。
「本格的に農業をする人じゃないとダメだ」みたいな、
新参者排除が基本姿勢なのじゃないかと思ってしまいます。

経験がなくったって、小規模で始めたって、いいんじゃないかと思います。
農業でもやってみようかという人が一人でも増える方が、お国のためじゃないでしょうか。
だって、現状の農業者だって、ほとんどが兼業で、
草を生やしておくわけにもいかなくて、助成金頼りにやっているような農家が多いです。
それも年々高齢化は進むし、耕作放棄地も増える一方です。

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で、農地取得のために農業委員会に申請書を出すのですが、
対応は地域によって様々です。
ここの場合は下限面積が10a(1反)と良心的でした。
「新規就農を促進し農地の保全及び有効活用を図るため」ということで、
下限面積の緩和をされたようです。

申請書には、どのように農業に取り組むのかということを、
細々と確かめるための記入項目があります。
家から農地までの距離とか、農機具の所有状況とか、
年間どれだけの時間、何人の体制で農業に従事するつもりかとか、
数年間の作付け予定とか、経営規模とか採算とか、
そういうような内容です。

この申請書を見るとちょっとひるみそうになりますが、
しょせんは皮算用、ウソを書くのはいけませんが、あくまで予定は予定。
たぶんこれくらいはやるつもり、というのを書いて提出しました。

農業委員会の方は、いちおう現地の確認に来るようですが、
特に立ち会いの必要もなく、2週間ほどで「許可書」が送られてきました。

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まぁ、結果的には「農地法、恐れるに足らず」でした。

今回の場合は、売主の方が直接農業委員会に出向いていかれたので、
それもスムースに許可が下りる要因であったかもしれません。

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