オノレ生えに手を貸す

投稿者: | 2016年6月9日

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ウチは自然農なので不耕起なのですが、
本来であれば周囲ぐるりと、中は4mごとに溝を掘って、できた畝に苗を植えていきます。

でも、今年は稲作をしないつもりだったので、
まったく前準備ができていない状態です。
田圃を見に来ることもなかった。

でも、ひょんなことから苗をもらえることになったので、
さて、どうやって進めようかと田圃に立って考えてみました。

今から溝を掘ってちゃ、田植えが間に合わない。
でも、水浸しの中での除草作業はちょっと辛いなぁ、と。

しかし、圃場をよく見ると、先日の雨でまんべんなく水溜りができています。
しかも前任者のトラクターの轍が筋になって、そこに雨水が溜まっています。
そして、その水溜りにはオノレ生えの苗が元気に育っています。

ザル田じゃなくて、圃場には結構保水力があるということです。
しかも足を取られるようなぬかるみでもない。
それなら、さほど深い溝を掘らなくてもいけそうです。

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いただいた苗がアキタコマチ。オノレ生えがコシヒカリ(たぶん)。
なので、二反の田圃をちょうど真ん中で分けて、この二種類の苗を植えることにしました。

溝を掘らない代わりに、トラクターの轍を溝に見立てて、
畝じゃなくて、その溝に苗を植える。
おぉ、逆転の発想です。

畝の方が広いので、その分苗はあまり植えられませんが、
逆に畝の方は水もなく広いので、除草作業がずいぶんと楽になります。

溝幅はだいたい25から30cm。
その溝の両端に、だいたい25cm間隔ぐらいで植えていきます。
両側が空いているのでこれぐらい密でも大丈夫だろうと思います。

問題は、オノレ生えの苗が圃場全面に生えていること。
二種類の苗が混在してしまうと後が面倒なので、
とりあえずアキタコマチの予定グラウンドからコシヒカリの苗を摘出の作業。

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大きめのスプーンで、くるりっと苗をすくいます。
できるだけ発育のよさそうな苗だけをピックアップします。

最初はチリレンゲでやっていたのだけれど、
若草色のチリレンゲだったので、いつの間にか見失ってしまいました。
何度も行き来して探したのですが、見当たりません。

鎌もこんな風に畑の中に隠れて見失うことがよくあるのですが、
忘れた頃に錆びて発見されます。
チリレンゲは樹脂製なので錆びたりはしないですが、
早くみつかってくれるといいな。

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ピックアップした苗をトレイに貯めては、コシヒカリのグラウンドに植えます。
よく育っているので、もちろん1本植えです。

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明日はまた終日雨みたいなので、作業は進みませんが、
今日ひと筋植えてみて、何となく希望が見えました。

いつもなら、広い田圃の隅から隅まで、あれもこれも植えてと思い、
いつになったら植え終わるのやら、先が見えなくて、
何度も気が遠くなったりしたものです。

でも今回は二種類、しかもある苗だけ。
それも半分はオノレ生えだから、育ってくれたらまるもうけ。
こういう適当なのが心にも身体にもいいですね。

これからヒエが繁茂してきたりすると忙しくなりますが、
とりあえず陸の草があまり生えていないので、とても気が楽です。

田植えというより、
あちこち自由に生えてる苗を、
こちらの都合できちんと整列させているだけのことですから、
育っているのはあくまで100%苗の自力。

私はただ草を取ったり、ちょっとそれに手を貸しているだけで。

オノレ生えに手を貸す」への2件のフィードバック

  1. のぶ

    たいへん興味深い試みですね。
    わたしも自然農のまねごとをしていますが、こぼれだねが一番立派に育つようなこともあり、やはり自分で花ひらく場所を決めた種は強いんだなあといつも感心しています。
    米でそれをやったことはないのですが、おそらく、他の草に負けなかったら強く、分けつしていくのでしょうね。
    またご報告くださいませ。

    返信
  2. caferoman 投稿作成者

    ヘタな考えで土を作ろうとしたり、環境を整えなくても、
    種は適合した環境があれば自ずから芽を出すんですね。
    それならあえてこちらが手を貸さなくても、
    野菜は野菜で、米は米で、極力自活していって欲しいというのが理想です。

    返信

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