この季節、いたるところに毛虫の類がモソモソと歩いています。
でも、チャドクガだけは被害が甚大なので、
見つけたら躊躇せずにバーナーで一網打尽に。
あとまぁ、リンゴの葉っぱとかについたヤツは、
申し訳ないが火箸とかでつまんで、どこか他所に行ってもらう。
その他、あちこちに出没するヤツは、
被害がさほど大きくなさそうなら放置することにしている。
で、今日桑の木を見ていたら、
こんなヤツが葉っぱにくっついていた。
でも桑の木は、実さえ食べられたらそれでいいし、
葉もたくさん茂ってるので、少しぐらい食べられても全然平気。
でも、桑の葉?
これって、まさか「お蚕さん」じゃないよね。
カイコみたいに繭を作るヤママユというヤツがいるようですが、
それは体色が黄緑色。
ネットの画像で確認すると、おぉ、まさしくこれは「お蚕さん」。
すごい。
これが「お蚕さん」なら、たぶんどこか近くに繭があって、
その中のサナギがやがて羽化して、
そいつが、ちょうどこのウチの桑の木に産卵して、
それが孵化した、ということになります。
ちなみに、カイコ(成虫)の画像。
これって、どう見てもテトでしょ。
あのナウシカに出てくるキツネリスの。
でも、このカイコの成虫。
羽根はあるけど、筋肉が退化して飛ぶことができない。
口も退化しているので、何も食べず、水さえ飲まず、
交尾をしたらすぐに死んでしまう。
何と、
「カイコは、野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物」
なのだそうです。
「幼虫は腹脚の把握力が弱いため、樹木に自力で付着し続けることができず、
風が吹いたりすると、容易に落下してしまう。」
そうそう、一度小枝で落としたのですが、
その幼虫をもう一度葉の上に乗せるのに、たいへん苦労しました。
だって、自分の足でしっかりと葉っぱを掴もうとしないんだもの。
しかも、
「餌がなくなっても逃げ出さず、人間による管理なしでは生育することができない。」
マジか。
頭部は先の小さなところだけで、
顔みたいに大きく膨らんでいる部分は体の一部。
眼のような模様は、捕獲者を威嚇するためにあるのだと思うのですが、
「カイコを野外の桑にとまらせても、ほぼ一昼夜のうちに捕食されるか、
地面に落ち、全滅してしまう。」
何だか、調べるほどにすごい生き物のようです。
しかし、そんな人の手に頼らなくては自立して生きていけないようなものが、
どういう偶然か、ウチの桑の木で孵化して動いていたっていうのは、
まるで、何かの奇跡みたいなことだったんですね。
それなら明日、もう一度桑の木のところに探しに行って、
もしまだ無事に生きていたのなら、
これは丁重に保護して、皇后さまのように手ずから御給桑。
成虫になるまであたたかく見守って育ててやるしかあるまいね。
あぁ、何の因果か、気がつけばウチも養蚕農家。