カイコ騒動 その1

投稿者: | 2017年5月18日

ひょっとして、もういなくなってしまってたらどうしよう。
心配になって、今日は朝から桑の木のカイコ探し。

だって、何の奇跡か、
「お蚕さん」が、この寒くて長い冬を野生の中で生き延びてきて、
しかも、一度切り倒されたウチの桑の木を選んで卵を産み付けて、
それが、今になって無事孵化したのだから。

昨日のうちに保護しなかったのが災いして、
もし枝から落ちてそのまま死んでしまってたり、
あるいは目ざとい鳥に食べられて、もう何処にもいなかったらどうしよう。

しかし、まったくその心配には及ばず、
「お蚕さん」は、元気にモゾモゾと動いておりました。
桑の木のあちらからこちらから、ためつすがめつ、
小さいのから大きいのまで、全部でだいたい8匹ぐらいは見つけました。

そうして優しく捕獲して、
底の浅い菓子箱に桑の葉と一緒に入れました。

 

 

「フタをしなくても、もし餌がなくなっても、
家畜化されて闘争本能が退化しているから逃げません。」
とか書かれているのを、どこかで見かけたのですが、
いやいや、とんでもない。

ウチの「お蚕さん」は、ただおとなしく葉を食べてたりしません。
厳しい自然の中で生き延びてきて、野性を取り戻したのでしょうか。
まぁ、とにかく元気に動き回る。

 

 

隙間があればどこからでも抜け出します。
そこに壁があれば、ゆっくりとどこまでも登っていきます。

これはいったいどうしたものかと悩みましたが、
虫かごのようなものもウチにはないし、
とりあえず、干し網の中に菓子箱を入れて吊るしておくことにしました。

で、時々様子を見に行っては、
その都度優しく捕まえて、元の葉っぱのところに戻したり。

そのうち、何だか、
口から糸を吐き出し始めたヤツがいるのに気づきました。
おぉ、そりゃいったいどうすりゃいいんだ。

慌てて「カイコの飼育方法」について、ネットで検索。
「お蚕さん」の生態を、かいつまんで速習。

カイコは卵から孵化して1齢で2,3mm、
それから4回も脱皮して5齢、
5齢になってからの1周間で、約65~85mmにまで急成長するそうです。

そして、5齢の幼虫は、約7日経つと全く食事を取らなくなり、
いよいよ繭を作る準備に入ります。
この状態が「熟蚕(じゅくさん)」。

「熟蚕になる前のカイコは、頭を上げて左右に振るしぐさをしたり、
糸を吐くようになって、よく歩き回るようになる。」

おぉ、それそれ。
もうその状態の5齢のカイコが4,5匹はいるようです。

じゃ、早く繭作りのための準備をしてあげなくっちゃ。

 

 

ということで、「蔟(まぶし)」。
まぶしとは繭を作るための部屋のことで、
熟蚕をここに入れると、安心して繭を作り始めるのだそうです。

ダンボールで、深さ4cm、縦横4cm☓5cmの集合住宅を突貫で製作。

 

 

糸を吐き始めてから2~3日で繭を作り、
3~5日で蛹に。
そして、約2週間で蛾になるのだそうです。

あの、萌えモフモフのカイコガに。

 

 

糸を吐き始めたヤツをちょっとお部屋に入れてみました。
でも、これが全然じっとしていやしません。

 

 

少し時間が経ってから見に行くと、
もう全員が部屋から出て、あちらこちら歩き回っておりました。
繭を作るにはもう少し時間があるのでしょう。

 

夜は寒いので、トマト温室の中に吊るしておくことにしました。
特にフタはしていないので、
さて、明日の朝には果たしてどうなっていることやら。

 

今日は、朝からいい具合の曇天だったし、
畑の続きをあれこれしようと思っていたのに、
結局、「お蚕さん」に振り回された一日になってしまいました。

この分じゃたぶん、
繭を作って、サナギが蛾になるまで、
ずっと「お蚕さん」に振り回される日々が続くんだろうな。

 

と、慣れない養蚕農家の一日でした。

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