声調(トーン)。
中国語は、ひとつの音節の中でトーン(音の高低)が変化する。
そして、その高低変化の違いで語彙の意味分けをしている。
これはやっかいですよね。
だって、日本語にはそういう区別の仕方がないんだもん。
この声調の4つのパターンを、「四声(しせい)」という。
1.第一声・・・平声(へいせい)
高(高く平たい音)
ā
2.第二声・・・上声(じょうせい)
低高
(低い音から高い音に、意識的に声量を上げて発音する。強く強調するのがポイント。)
á
3.第三声・・・去声(きょせい)
低
(低い音を出してから、最後に力を抜く感じで発音すると、
自然にいい感じの高さにまで音が上がる。)
ǎ
4.第四声・・・入声(にゅうせい)
高低(高い音から低い音)
à
以下は、トーンが変わることによって、意味が全く変わってしまう例。
★第一声 | bā(八) | 数字の8 | ★第三声 | bǎ(靶) | 標的 |
★第二声 | bá(拔) | 抜く | ★第四声 | bà(爸) | お父さん |
それから、
★第一声 | mā(妈) | お母さん | ★第三声 | mǎ(马) | 馬 |
★第二声 | má(麻) | 麻 | ★第四声 | mà(骂) | 罵る |
四声の中では、第三声が特に注目されがちなのですが、
実は、第三声は低い音を出せばそれなりに聞こえるのだそうです。
それよりも、日本人の発音が分かりにくいといわれるのは、むしろ第二声。
これは、とにかく大げさに発音しちゃうのがいいようです。
四声は、
ピンインの記号に惑わされずに、
音の高さ「高、低高、低、高低」
だけで理解するのがいいみたい。
それと、
口の形や抑揚なども、不自然なくらい大げさにして練習するのがいいみたい。
普段使い慣れない口や舌の筋肉を使わないと、発音ができないんだから、
これは意識して反復して、鍛えて身体で覚えるしかない。
ところで、中国人の話す日本語って、濁音がないですよね。
「学校(ガッコウ)」って言えなくて、「カッコウ」。
ところが逆に言うと、
何とここに日本人が躓くポイントがあるのだそうです。
ということで、
次回は「濁音にまつわる無気音と有気音」のこと。 → NEXT
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