安政の鏝板

投稿者: | 2015年8月31日

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納戸の土壁が崩れているので、これを補修しなければいけません。
崩れた土壁は、すでに崩壊した土くれが下に落ちていて、竹小舞が露出しています。
残っている部分もかなり浮いていて、抑えるとボロボロとかたまりが落ちてきそうです。

できればあるものをそのまま使って直す方がいいと思って、
どうやって補修するのがいいだろうかといろいろ調べてみました。

崩壊した壁土は練って再び使う。

やっぱりそれがいいですね。
しかしそのままだとまた剥離してしまうので、
接着剤のようなものを混ぜて練ります。

それから仕上げは漆喰にしようと思っています。
やっぱり古民家は白い漆喰壁にすると家の中も明るくなるし、
古材とのコントラストが利いて、キリッと締まります。

で、壁材やら何やらを購入しないといけないのですが、
やっぱり鏝板ぐらいは自作するべきでしょう、と思ったのでした。

鏝板に使えそうな材料を納屋で物色していたのですが、
一辺が30cmぐらいの一枚板が必要です。

見つけたのが、蔵から出てきた什器の古い箱のフタ。
だいたい昔の人は、箱に品名や購入した日などを署名入りで
いちいち筆書きしています。

それを見ると、古いも古い「安政6年」ものです。
安政6年というと西暦1859年なので、何と156年前の古物です。

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材が完全に乾燥していますので、割れやしないかと思ったのですが、
丁寧に水洗いして陰干しして組み付けると、何とかいけそうです。

インパクトドライバーでいきなりネジ釘を打ち込むと割れちゃいかんので、
あらかじめキリで穴を開けておいてから静かにねじ込みました。

取っ手も古材、何かの足の部分です。
塗ってる最中にぱっくり割れて崩壊しないように、裏から木を当てています。
これで大丈夫でしょう。

古い土壁には古い鏝板。
まぁ、なかなか結構な鏝板に仕上がりました。
あとは塗るだけ。

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