スミヤキ考

投稿者: | 2016年1月24日

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この冬一番の寒波ということでしたが、
ウチのところは特に雪が降ることもなく、穏やかな冬の日です。

朝は灰色の冬空から太陽が少し顔をのぞかせていましたが、
日が昇るとサンサンと太陽の光がさしたり、
また時々は粉雪が舞ったり。

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さすがに外気は冷たくて、固まった氷はいっこうに溶けないけれど、
まぁ、この分じゃたいしたことにはならないでしょう。
強い寒気も中国山地は越えられなかったようです。

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で、炭焼き。

冬ごもりに備えて、図書館で炭焼きの本を借りてきて読んでいたら、
まぁ、反省すべき点が多々あることがわかりました。

こういうのって、
やっぱり自分でやってみて、失敗してからでないと身につかないよね。

一見きれいに焼けて成功したような気がしていたのですが、
火箸で持つと異様に軽くて、もろいのが気になっていました。
樹種の問題もありますが、たぶん焼き方が悪かったんですね。

炭の質にこだわるなら、炭材の樹種をそろえ、
さらに伐採後2~3週間ほど乾燥させ、太さも揃える。
伐採直後の木は水分が多く、温度が上がりにくい。

生木でも悪くはないですが、問題は焼き方。
ドラム缶窯では、普通は炭化に約8時間かけるそうですが、
それを24時間かけて焼く人もいるという。

煙突を絞って煙を出さないようにし、
かつ温度も下げないようにして、ゆっくりと炭化させる。
仕上げには通風口と煙突口をさらに調節し、
精煉をかけて、硬くていい炭を焼きあげると。

そうか、ただ焼いて密封するだけじゃ良い炭はできないんだ。

1.然材は焚き口で燃やし、窯内には入れない。
・そこを根本的に考え違いしていました。
口焚きは窯内の温度を上げるために行うものなんですね。
あたしゃ、何か燃え付きが悪かったこともあり、窯の直下でガンガン焚いていました。

2.焚き口の炎が安定したら熱気を窯内に押しこむようにウチワであおぐ。
(横置きドラム缶窯の場合は、構造的にウチワで押し込む必要がある)
・ウチワは1枚だけよりも、2枚重ねてあおぐと楽に強い風を送ることができる。
これを「合わせウチワ」という。
・へぇー。

3.煙突から白色の煙が勢い良く上がり続けるようになったら、口焚き終了。
・そうなんか。あたしゃ、煙が出なくなるまでずっと焚き続けてたよ、あぁ無知の涙。

・煙が順調に排出されるようなら、然材をかき出し、焚き口をせばめる。
以降、この焚き口が通風口となる。
・口焚きから2~30分で、最初の然材の燃える薄い煙から、白濁色の濃厚な煙に変わる。
水蒸気がまざった、熱くなく重たい煙。
・その後20分ほどで、煙突に手をかざすと、3秒ほどで我慢できなくなる。その時の熱さが70度前後。
・排煙温度80度で窯内上部は275度前後に達し、炭材の炭化が始まる。
ここまでは、排煙状態を見ながら煙突口を3分の1程度せばめ、できるだけ時間をかけた方が
良い炭が焼ける。30分おきに排煙温度を計測。
・こりゃ、温度計が要るな(200度まで測れる水銀温度計)。

4.通風口、煙突口の調整。
・煙が安定的に排出されるのを確認しながら、排煙温度が下がらないようであれば、
通風口と煙突口を交互に少しずつせばめて調節する。
・炭化時間を長くすれば質の良い炭が焼ける。
・ここがキモなんですね。あたしゃ、ただいつまでもボーボー焚いていただけでした。
・排煙温度が150度を超えると、煙の色は褐色が抜け、白色から青みを帯びてくる。
同時に刺激臭は薄まり、煙突口に付着するヤニに粘りが出てくる。

5.木竹酢液は排煙温度75~120度で採取する。
・前回はそこまで手が回りませんでしたが、次回は取ってみよう。
・ステンの煙突がなければ、5mほどの太めのモウソウチクの節を抜き、
根本30cmほどを半割りにして煙突口に20~30度の傾斜をつけてかざす。
半割りの返りの下に、液をためる容器を設置して木竹酢液を採取する。
・集めた液は、直射日光の当たらない涼しい場所で数ヶ月~半年置けば、
タール分が沈殿、油分は表面に浮く。その中間の透明な液体が木竹酢液。
・木タールは木杭に塗る防腐剤として使える。

6.精煉(ねらし)

・煙切れする前、白煙に薄く青色がまじるようになったら、排煙温度は約230度。
排煙温度が230度に達し、薄紫色の煙に変わった頃から、
10分間隔で、5段階に分けて、通風口と煙突口を全開まで開けていく。
・こうすることで、窯内のガス分が燃焼して一時排煙料は増える。

7.煙の色を見て火を止める。
・そして煙の色がさらに薄くなり、煙突口から10cmほど透明の煙が立ち上るように
なったら(煙切れ)窯止め。

以上、備忘録のため「すぐにできるドラム缶炭やき術」から引用しました。

ちょっとこれを頭に入れて、雪が溶けたらもう一回焼いてみよ。

「本格的に質の良い炭を焼こうとすれば土窯に行きつく。」
と書いてありました。
そうだよね、どうせやるなら本格志向。
もう少しノウハウを体得したら、ぜひウチのウラ庭に土窯を据えてみたいものです。

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