正直なところ、
イモムシ、毛虫のたぐいはあまり好きではありません。
虫を愛でたり、食べたりする趣味もありません。
でも、「お蚕さん」だけは何故か、
最初からそういう嫌悪感のようなものはいっさい感じませんでした。
だから、こうやって優しくつまんで、
指の先でしばらく遊ばせていても全然平気。
猫やなんかと同じぐらいに、妙に愛らしく感じたりもします。
われながら不思議です。
最近、大きなのはほとんどが葉の隙間に隠れてしまっていて、
外からはまったく様子がわかりませんでした。
どうも葉にくるまって、繭を作っているようです。
で、今日は枯れた葉を全部取って、仔細に点検してみました。
そういえば、小学校の頃、朝の朝礼の時に「持ち物検査」とかあったよね。
全員整列! 小さく前ならえ!
「ハンカチ、ハナカミ、持ってますか? 手の爪はちゃんと切ってますか?」
ま、それはそれとして。
点呼の結果、始めて全貌がつかめました。
繭が8つ。まだ小さいのが3匹。
しかし、「お蚕さん」はフタをしなくても逃げません、とか。
糸を吐き始めたら、蔟(まぶし)に移すとその部屋で繭を作ります、とか。
いやいや、そんなに大人しくはしていません。
姿形はまったく「お蚕さん」なのに、どうも様子が違うよなぁ。
繭だって、干し網の隅に作ったり、葉っぱにくるまって作ったりするし、
と思って、いろいろと調べたら、
どうも、これは「クワコ」という種類なんじゃないかと。
野性のカイコは存在しない、ということですが、
「クワコ」というのは、野生の「お蚕さん」。
つまり、家畜化される前の原種なのだそうです。
「お蚕さん」と比べると、
・姿形は似ているけれど、クワコはちょっと色黒。
・ひと回り小さい。
・足の力が強い、
・動き回って脱走するので、飼育にはフタが必要。
おぉ、まさしく「クワコ」じゃね。
ちなみに、フンも六弁の花びら状で、「お蚕さん」と一緒。
お尻の穴が、生クリームの絞り口みたいになってるのかもしれません。
小さすぎて確認できないけれど。
しかし、それってなかなか素敵な仕様ですよね。
人間もそうだったら、、ウンチももっと万人に愛されたかもしれません。
ま、それはそれとして。
クワコの成虫は、カイコと違って、
ちゃんと自力で飛ぶことができるようです。
姿形は似ていて、たぶんモフモフしているけれど、
ちょっと小さくて色黒。
干し網の中で羽化したら、
やっぱり干し網の中で交尾させた方がいいんだろうか。
そして交尾が済んだ雌は、その時にはやっぱり野性に戻してあげて、
いいところに卵を産ませてあげた方がいいんだろうか。
でも、研究者によると、
「野外で採集したクワコ幼虫の場合、成虫になる前にかなりの高率で死んでしまう」
と書かれていたりします。
元気に羽化して、羽ばたいてくれることを祈ります。
まだまだ、目が離せません。
おおしましょう