7年前にオークションで落としたホソカワの籾摺り精米機。
今までよく活躍してくれていたのですが、
こちらに持ってきてから、何だかどうも調子が悪い。
籾すりが詰まって動かなくなったり、
精米が詰まって動かなくなったり、
その度、分解して掃除したりすると、再び動くようになるのですが、
ちょっとすると、また詰まって動かなくなる。
やっぱり湿気が多いせいなのかなぁ。
ヌカが機械の中で湿って、クモの巣状のものと絡まってくっついて、
あちこちで堆積して出口を塞ぐようです。
そうこうしていたら、
籾すりと一緒にこんなゴム片が出てきた。
・・・、そうそう、前にもありました。
これは、回転しながら籾を叩くラバーです。
かなり消耗する部品なのでしょうか。
確か5,6年前にも同じように玄米と一緒に出てきて、部品を替えたのを思い出しました。
その時、知り合いのツテで農協に頼んだら、すごい請求書が来た。
その事を知り合いに言ったら、後で少し値引きしてくれたけど。
今回は自分で分解してみました。
手間さえ惜しまねば、たいがいのことは自分でできるものです。
籾ホッパーから落ちてきた籾は、
ここで何枚ものラバーに叩かれて、脱穀される仕組みです。
脱穀された籾は途中で風で飛ばされ、残った玄米が玄米ホッパーに入ります。
円盤の中にこんなふうにラバーが組み込まれています。
左側のラバーが真ん中で割れかけています。
そして右側は、ゴムが劣化して外れて、軸だけが残っている状態です。
この、中で回転する円盤がダップファン、
周りの緩衝ラバーをライナーというみたいです。
これなら、ラバーだけ新しいのに取り替えればいいようなものですが、
前回は、確か円盤ごとの交換でした。
いずれにせよ、このパーツさえあれば自分で直せます。
で、どこに行けばこのパーツが入手できるんんだろう。
近くに懇意な農機具屋もないし、
とりあえず、地元のJAに探りを入れてみることにしました。
しかし、・・・、JAになんか電話するんじゃなかった。
担当者の態度が、予想以上にひどかった。
JAって、組合員じゃないと対応が悪いのは、どこでも普通だけど、
さらに、自分のところで売った農機具じゃないとわかると、
もう、一瞬だって関わり合いたくない、っていう態度なんですね。
そのくせ、そんなJAになんか加入していないのに、
種や苗や農薬や肥料の申し込み用紙は必ず回覧されてくる。
そんなの、一瞬も見たくないのに、ちょっと迷惑。
で、仕方がないので、メーカーに直電。
問い合わせたところ、「どこから買われましたか。」と。
「ウチは小売はしていないので、販売店に」と。
そんなんさぁ、きょうびネットやオークションの時代にね、
どこで買ったかなんて、ホンマ、どうでもええやん。
農機具って、未だに問屋とか、JAとか、代理店とか、
しょうもない旧態依然とした組織に多額の中間マージン抜かれて、
結局、バカ高の小売価格が設定されているんだよね。
アホくさ。
「OK。
じゃぁ、その部品は、いったいどこの販売店か代理店にいけば手に入るのか」
と食い下がった。
「ちょっと、待って下さい。品番はわかりますか?」
「MR700」
「・・・、その機種は26年前に販売が終了していまして、200☓年に部品の供給も終了しています。」
「あっ、・・・そ、そうですか。(・・・古い機械、いつまでも使ってて、悪かったね。)」
ということで、
ウチの籾摺り精米機の籾摺り部分は、これにてガラクタになってしまいました。
でも二層式なので、精米機能はまだ生きています。
籾摺り精米機じゃなくて、
晴れて半身不随の、ただの精米機になったわけです。
島根にいる時は、あちこちにコイン籾摺り精米機があったので、
ウチの籾摺り機の調子が悪い時なんかは、
ちょっとコインまで出かければ問題なかったんですけどね。
岡山って、コイン籾摺り精米機がないのです。
これってやっぱり、稲作文化の相違なんでしょうか。
こちらでは、むしろ個人で大型の籾摺り機をもっている農家が多いようです。
だから、コイン籾摺り精米機の需要が少ないということなんでしょうか。
でも、お米なんて、基本的に籾で保管して、
食べる時に少しずつ籾摺り精米した方が、圧倒的においしいのにね。
籾摺り難民になりました。
どこかにお手頃な中古の籾摺り精米機がないかなぁ、と探しています。
ま、それはそれとして、
ぼちぼち稲刈りと稲架掛けの算段をしておかなくちゃ、と思い、
納屋の稲架木を物色してみました。
結構年代モノの杉の稲架木ですが、
出してみると、これで何とか使えそうです。
島根ではスケと呼ばれていた、支柱に使える長さのもの。
納屋に結構大量に残されてあるので大丈夫です。
こちらは横に渡す長い稲架木。
最初、竹を切って用意しようかと思っていたのですが、
これも年代モノの結構長いのがたくさんあるので、充分いけそうですね、
長いのは7m程もあったのですが、
軽トラに積んで運ぶにはちょっと長すぎるので、5.5mに揃えました。
これで20本。
足らなかったらまだストックがあるので、稲架木はこれで安心。
後は、この稲架木を置いておく屋根付きの小屋を、
田圃の畦に作らないといけません。
島根では丸太の掘っ立てで作っていたのですが、
掘っ立てだと、やっぱり4,5年で根腐れしてしまうんだよね、タダだけど。
だから、今度は単管で作ろうかと思っています。
一生ものということで。
島根ではスケ、と呼ばれるものは、お隣の広島県高野ではY字の木のことを言っていました。
支柱ではなく、Y字のスケ2つを左右から支柱を支えるように設置するのです。
「助け」から来ているのかなぁなんて思いましたが。
そうそう、正確にいうとおっしゃる通り、支柱を左右から支えるものです。でも、Y字のもあったけど、そうじゃない方が多かったですね。ちなみに、その支柱とか、横に渡す長い木は、広島では何て呼んでました?島根でも何とか言ってたけど、忘れちゃいました。
高野の人に聞いてみると、
横棒は[さお]、素材は木(杉か松)又は竹。縦棒は[じく]、素材は栗。Y字棒は[すけ]、これも素材は栗。
だそうです。さおとじくはそのまま(標準語)ですね。
私は庄原でも高野ではなく川北というところなのですが、スケだけは初めて聞きましたし、使っているのを見るのも初めてでした。便利なもんですね。
高野は奥出雲に近いので、言葉や文化が影響を受けています。ですのでそちらの呼び名のような気もします。
稲刈り、楽しみですね。またブログ楽しみに読ませてもらいます。
詳しく聞いていただいてありがとうございます。
素材は栗が強くて長持ちするんだけど、全部栗で揃えるのは難しいから、杉や竹になっちゃうんですね。
横に渡す長い木は「ホギ」とかいっていたような気もしますが、記憶が定かではありません。その地方のモノの呼び名って、それぞれ特色があってとても興味深いです。