そろそろ壁も乾いてきたので、押し入れの床を張ってここを終わりにしたいと。
ところが何せ、水平、垂直どころか、直角もない家なので、
床板を張るったって、そう簡単にはいきません。
直角の板を沿わせたら、ほれ、これだけの隙間ができる。
しかも、壁際は直線じゃないときてる。
やれやれ。
どうやって落とし前をつけようかと、しばし考えたのですが、
結局、ダンボール紙をハサミで切って、型を取ることにしました。
何だか、服を作るみたいだけど、相手が曲線なんだから仕方がない。
そうして、この型紙をベニア板の上に載せてなぞるだけ。
これで寸法はバッチリ。
さらに、その上に張る杉板も、
相じゃくりを合わせて裏返したところに、
今度は成型したベニア板を載せて、縁をなぞって写し身の術。
それをざっくり丸のこで切断して、
後の変形した角や、微妙なカーブは、ディスクグラインダーで加工。
・・・って簡単に言うけど、
この微調整にはたいへん時間がかかったのでした。
さて、そこまで準備が整ったら、
床下の地面に、お決まりのゼオライトを敷いてならします。
そして、いよいよ最終作業。
断熱材50mmをはめ込んで、気密防水テープで封印。
これで床下からの湿気や寒さ、ムカデなんかの侵入も完全にシャットアウトです。
おまけに珪藻土壁で調湿性能も高くて、布団も湿気なし、室内も快適。
・・・ま、とりあえずこの部屋に限っての話だけど。
で、さきほど型抜きしたベニア板。
最後に杉板を載せて出来上がり。
無垢の杉板なのでニスぐらいは塗ろうかな、と思ったのですが、
ま、いいか、押し入れだし。
上の棚板も作らないといけないんだけど、
あとは同じ要領なので、明日には全て完了するものと思います。
いやぁ、長かったなぁ、ここまでの道のり。
思い起こせば、最初はこんな状態だったからね。
壁なんか、モルタルがずり落ちてるし。
天井板の隙間からは、得体の知れないゴミやチリが落ちてくるし。
それを思えば、
よくぞここまで、まぁ立派にお綺麗になって。
これで何とか、一両日中には押し入れが押入れとして機能しそうです。
引っ越しの時のままの簡易布団袋よ、さようなら。
これからは、
生き長らえることの悲哀に心震える時には、
この押し入れの暗闇で、ひとり泣きながら眠ることさえできます。
ま、泣かないけど。