
先日、久しぶりに太極拳のレッスンを受けて思ったのは、
まず、自分の身体の声がきちんと聞こえていないことには、
何も始まらないんだということ。
畑仕事も同じで、むやみに水や肥料を施しても、
それは何の解決にもならない。
目の前の、土とそこに育つ植物の様子をよく観察し、声を聞き、
それに応じて為すべきことを為すべき時に、為す。
どこか他所の畑の対症療法なんか、何の意味もないんだ。
ということで、野口三千三を読み返してみることにした。
「今や、論理・科学という名の巨大な怪物が、分析・数値化という方法によって、
いつもまるごと全体であるべき自然の生きものを、くいあらしていくのではないか。
そのような気がして、私は強い疑惑と恐怖を感ずるのである。」
本著の冒頭に書かれたこの言葉に、
昔読んだ、マルクス・エンゲルス「共産党宣言」の書き出しを思い出した。
「一個の怪物がヨーロッパを徘徊している。共産主義という怪物である。
古いヨーロッパのあらゆる権力は、その怪物を退治するために、神聖同盟を結んでいる。」
・・・
で、読み始めたら、いきなりエンゲルスの引用が出てきた。
なんだ、やっぱりそうなのか。
スマホやら何やらで僕たちは、
知らず知らずのうちに空虚な情報過多になってしまうから。
実体の身体のことを、
時折はしっかり意識するようにしないと、
いつの間にか、ただの頭でっかちの木偶の坊になってしまう。