漢文をちょっと調べてみたいと思った。
スペイン語をやり始めてからほぼ1年になる。
文法を含めて概略は理解できたように思う。
しかし、覚える端からどんどん忘れてしまうのは、これはもういた仕方ない。
外国語を自由に聞いたり話せたり読めたりできるようになるには、
たぶん、現地に住むか、
生活の中で日々ネイティブと話せるような環境で過ごさないと、難しいと思う。
言葉ってのは、使わないことには意味がないものだから。
NHKスペイン語講座がまた4月から新しく始まるので、
引き続きテキストを買ったものかどうかと思っていた。
簡単な日本語の例文を、スペイン語で筆記して簡単に答え合わせができるアプリとか、
「BUSUU」というオンライン外国語学習アプリとかがあって、
無料なのにこれがなかなかよくできているので、暇があればこれで楽しんでいる。
NHKテキストはもういいかな、あとはアプリで遊んどけば。
で、次は「漢文」をやろうかと。
さっそく、
白水社の「白文攻略 漢文法ひとり学び」と三省堂の「全訳漢辞海 第四版」
を購入した。
漢文というのは、高校の学習科目に申し訳程度にあったのだけれど、
ろくに勉強もしていないし、何も知らなかった。
「漢文」というのは、国語のオマケみたいなものなんかじゃなくて、
立派な外国語なのだそうだ。
日本語やスペイン語、中国語なんかは、音声だけでコミュニケーションが取れる自然言語だが、
漢文は、人工的に作られた「読んで書く」ための書記言語なのだという。
そこにいわゆる「ネイティブ」は存在しなくて、
ただ学習したものだけに「読み書き」が可能な言語なのだという。
おもしろいじゃないか。
言語の文法的な分類からすると、
漢文は「孤立語」になるらしい。
「てにをは」でつなげる日本語やトルコ語は「膠着語」。
西洋の言語は、時制とか格や性で語尾が変わる「屈折語」。
そういえば、ロマンス語群のスペイン語は、確かに屈折がものすごかった。
英語やドイツ語なんかのゲルマン語の比じゃない。
スペイン語の動詞の時制は、直接法だけで10種。
「現在、現在完了、線過去、過去完了、点過去、直前過去完了、未来、未来完了、過去未来、過去未来完了」
接続法で6種。
「現在、現在完了、過去完了ra形、過去完了se形、未来、未来完了」
それにに命令形がある。
ひとつの動詞がこれだけ変化する。
そうしてこの変化したものが、
さらに名詞の性や数や尊称によって、いちいち「屈折」するのだ。
狂気の沙汰である。
あのラテン系のへらへらした兄ちゃんたちが、
こんな複雑な言語を駆使して喋ってるなんて、ほとんど信じがたいことです。
それはそれとして。
漢文が「孤立語」であるというのは、
そういう「屈折」や「てにをは」がないということ。
ただ孤立した漢字をブロックのように積み上げて文を構成する。
重要なのは、「語順」と「句法」という積み方なのだそうだ。
ほうほう。
一般的に漢文を読むと言うことは、
返り点や送り仮名をつけて訓読すること、とされている。
しかし、「外国語」としての本来的な漢文は、何もついていない「白文」。
これを、漢文法にそって正しく読む、ということ。
ふむふむ。
しかし、この「漢辞海」。
「圧倒的な情報量」とうたっているだけあって、
ただ眺めているだけでもおもしろそうではあるのだが。
如何せん
「字が小さい」
「文字色が薄い」
一行を縦半分に割って詰め込んである文字なんて、年寄りには見えるもんか。
それでなくても、最近ますます視野が白く濁ってきてるのに。
スマホのカメラで撮って拡大するか、
例のおっきな虫眼鏡を手に入れるか。
何ともはや。