
掛け時計がどんどん遅れるようになった。
10分や20分じゃなくて、何時間も遅れる。
こりゃ、電池を換えなくちゃ、と。
ウチはバッテリー電池なので、ストックしてあった電池と交換した。
ところが2、3日経つと、また何時間も遅れる。
ただ動いているだけで、時計の役目はまったく果たしていない。
あぁ、このバッテリー電池も寿命なのか、と思って別のバッテリー電池を試してみた。
でも、やっぱりダメ。
寿命が来る時は何もかもが一斉に来る。
ストックの同時期のバッテリー電池は全部ダメか、と思って新しいバッテリー電池を購入した。
で、入れ換えてみたけれど、症状は同じだった。
うーむ、こりゃ電池じゃなくて本体か。
いちおうセイコークォーツなのだが、
もらいものの古時計だし、仕方がない捨てるしかないか。
と、裏を返してみると、駆動部は嵌め込み式の黒い小さなボックスだけ。

だいたい6cm角で、厚さは1cmもない。
こんなチャチなプラスチック部品が正確に時を刻むなんて驚きだ。
昔の時計職人が見たらびっくりするんじゃないか、と思う。
しかし、クォーツというくらいだから、どこかに石があるはず。

どうせ壊れてるんだからと思ってバラしてみた。
どこだろう。
しかし、石らしきものは見当たらない。
コイル、びよ〜ん。
昔、理科の実験でエナメル線を巻いて磁石を作ったのを思い出した。

これかなぁ。
この歯車の中に4箇所あるマカロニみたいなヤツ。
たぶん、これかもしれない。
クォーツ(水晶振動子)。
なんと、調べてみると、クォーツは10年程で寿命を迎えるようです。
なるほど、この時計は間違いなく寿命。
でも、こんなパーツだけなら簡単に交換できそうです。
で、調べてみたら、ありました。
結構マニアックなパーツでも、ネットで調べればだいたいのモノは見つかって取り寄せができる。
ド田舎に住んでようが関係ない、便利な時代です。
中国製なら800円程度、純正品はその倍ぐらいするけれど、
それで復活するなら安いもの。
ここはやっぱり純正品、ということで発注。

4箇所のネジを取ると、前面の枠とガラスが外れます。
そうして、秒針、分針、長針を抜くと、
裏のムーブメント(駆動部の黒いボックス)がカパッと外れる。
取り換えは、あっけないほど簡単。

新しいムーブメントに取り換えたら無事、復活。
そうして、もう寿命かと思ってゴミに出したバッテリー電池を回収。
悪かった、君のせいじゃなかった。