
一昨日、夜半に何やら音がするので目が覚めた。
まだ辺りは暗い。
恐らく家向こうの竹藪の辺りから、何やら笛を吹くような音がするのだ。
聞き慣れぬ音。
ひょっとして、これが鵺(ぬえ)というやつかとしばらく耳を傾けていたが、
またうとうととして寝入った。
翌日に調べてみると、おぉまさしくそれ。
鵺(ぬえ)といえば、
「平家物語」にも登場し、猿の顔、狸の胴体、前後の肢は虎、尾は蛇という異形の妖怪。
しかしてその正体は、「トラツグミ」というハトより少し小さな鳥。
何も真夜中に鳴かなくてもいいのに思うが、
「ヒョー、ヒョー」と、他の鳥とはまるで違って、笛を鳴らすような声で鳴く。
この辺りは、いろんな獣や鳥の声をたくさん聞くけれど、鵺(トラツグミ)は初めて。
昨晩もう一度聞けたらと思ったけれど、もう鳴かなかった。
ひと夜限りの貴重な体験でした。
